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ありがとう、トニ･エルドマン

(Toni Erdmann)　2016年　ドイツ･オーストリア

　★★★★★★★★☆☆　8点

　サンドラ･フラーのアイドル映画！

スタッフキャスト

　監督/製作/脚本:マーレン･アーデ

　撮影:パトリック･オルト、編集:ハンケ･パープリース

　出演:ペーター･シモニスチェク、サンドラ･フラー

　　　ミヒャエル･ビッテンボルン、トーマス･ロイブル

　　　トリスタン･ピュッター、ハデビック･ミニス

　　　ルーシー･ラッセル、イングリッド･ビス

　　　ブラド･イバノフ、ビクトリア･コチアシュ

感想

　同劇場同日同時間に吉田大八監督の舞台挨拶付きの美しい星の

　上映があったにも関わらず、トニ･エルドマン観てきました。

（吉田大八監督には会いたかったけど

　もう美しい星は観てたので…。）

　居心地が悪い笑いのコメディでラストは感動するような

　映画とばかり思っていて、もちろんそういう映画なのですが、　個人的には娘のイネスを演じる

　サンドラ･フラーのアイドル映画として100点でした！

　パンツスーツが決まる仕事のできるかっこいい女性姿からの

　部屋着姿がかわいいし、ドレスアップした姿の美しさの数々。

　さらにはパンチラ&パンモロ、全裸まで！

　そしてさらにホイットニー･ヒューストンの

　GREATEST LOVE OF ALLまで歌わせるという

　これ以上無いアイドル映画ぶり！

　自分を愛せなくなってしまった娘が

　自分を愛すことから始めようよ！

　という歌を歌うシーンが非常に感動的なのです。

（急にピアノを弾くトニ･エルドマンがカッコいい！）

　愛せなくしまったというのが分かるシーンして

　同僚との悲しいセックスシーンがあるのが効いてる。

　町山さんが「鮭が卵に精子をかけてるみたい。」と

　言っていたのですが、

　本当にそんなセックスシーンでビックリ！

　オヤジのせいで怒ったり居心地が悪くなる彼女の顔も良い！

　初めて彼女がトニ･エルドマンの入れ歯をつける

　シーンが良いのです！

　監督のマーレン･アーデは

　アイドル映画のキモを分かっている！

　40歳前のサンドラ･フラーの

　今の輝きを切り取ったアイドル映画！

　急に娘に歌わせてピアノを弾くトニ･エルドマンが

　かっこいいのです！

　ダサくて怪しくて超めんどくさいユーモア溢れる男たっだ筈の　トニ･エルドマンが段々とかっこ良く見えて来る！

　トニ･エルドマンのモデルになったのは監督の父親で、

　父親が急に架空の人物になって芝居をするような人で、

　あの入れ歯は実際に監督が父親にあげたものとのこと！

　また監督は「親と子の関係は、別れに満ちています。

　子供にとって何か新しいことが始まるとき、

　親にとってはそれは何かの終わりです。

　私は息子に関してそれを経験しているところです。

　息子が成長するたびに私は物思いにふけってしまいます。」

　と語っているので、監督の経験が映画に投影されている。

　急に始まる全裸パーティ！

　俗にいう裸の付き合いなのかなと思うけど、

　全裸にさせられる上司と部下。

（↓ファスナーをフォークを使ってあげるも

　もう面倒！と言わんばかりに全裸になるシーンもキュート！）

　そして全裸になっているとは知らずに来る二人の男は

　全裸になっている上司と部下を観てどう思うのだろうか。

　描かれてないですが、居心地悪い（笑）。

　最後の着ぐるみはブルガリアの祭りで使われる被り物で、

　幸せを呼ぶ毛むくじゃらの精霊クケリというものらしい。

　日本でいう「なまはげ」みたいなものらしい！

　娘が自分の人生を見つめ直すその入り口に立ったところで

　映画が終わったような感じでなかなか良い映画でしたよ！

　中年女性が長時間全裸のままなので、

　見てるこちらの居心地が悪くなってくる感じに、

　ビフォア･ミッドナイトでのジュリー･デルピーの

　全裸喧嘩シーンを思い出しました。

　ビフォア･ミッドナイトの感想は

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　愛は不毛じゃない。