アルファギークもびっくり 驚愕の鍛刀
こんばんは!
鍛刀は民主主義を超えた!?
兼定刀身展示最終日に、長年お付き合いの続いている十一代兼定愛好家の方がご来館くださいました。
「珍しいものをお見せしたくって」
と。
コレクションしていらっしゃる鐔の中から、七夕図のものをお持ちくださいました。
歳三さんの十一代兼定の鐔も「七夕図」です。
他の七夕図は見かけたことがなかったので、珍しくて、しみじみ見入ってしまいました。
七夕図の鐔をなんと3つもお持ちくださったのですが、
こちらの山城國のものが、なんとも歳三さんの鐔にそっくりの構図。
七夕図という意匠は
「七夕の日の朝に梶の葉に溜まった朝露で墨をすって短冊に願い事を書くと願いが叶う」
という中国の故事からきているそうです
土方歳三資料館図録の歳三さんの鐔の写真は原寸大なので、比べてみました。
歳三さんのものよりはひと回り小さい感じですね
そして、梶の葉のタッチが似ています。
葉脈の彫りとか…
見せていただいた鐔は山城國(京都)の鐔職人さんの一派のものと銘が刻まれています。そして、歳三さんの兼定刀身の年記は慶応三年。慶応年間は京に会津藩の鍛刀所があり、会津藩お抱えの刀装具の職人さんたちも在京していたし…もしかしたらどちらかが模した?
なんて想像してしまうくらいにお揃いですね
そして、七夕図2つ目と3つ目の鐔
右下に梶の葉、左下に筆、上に扇面。
七夕図、歳三さんのもの以外は初めて拝見しました
似たような構図、題材で色々と制作されていた人気の意匠だったのでしょうか
またひとつ、歳三さんの遺品に理解が深められたようで、嬉しい七夕図意匠の鐔たちとの出会いでした
とても勉強になりました。
ご所有者様、歳三さんの兼定が好きで、いつかそっくりの土方拵えで十一代兼定を再現しようと、刀身だけでなく七夕図の鐔もずっと探しておられたんだそうです。でも、なかなか…10年以上も見かけることがなかったので、これらの鐔に出会った時には、ご縁を感じてしまったとか…
そんな風に心に留めてもらって、歳三さんも幸せ者ですね
大事なお品をお持ちくださり、そして
この日記での掲載もご快諾くださり、
ありがとうございました
この記事をご覧になられた方で、
「私も持っていますよ」
など七夕図情報をお寄せくださったら嬉しいです