落ち込んだりもしたけれど、インターンです

インターン

インターン 自然を、おいしく、楽しく

よく聞かれるのが、「なんでCIAに入らなかったの?なんでFBIを諦めたの?」

よく言われるのが、「CIAやFBIにいたほうが世界を変えられたのに。」

私は21歳の時にCIAを受けました。生まれ育った国を守る仕事をしたかったから、そしてインテリジェンス機関(諜報機関)で働きたかったから。

23歳の時にハーバード大学院に行きました。テロ対策学と中東のセキュリティー問題に関する知識と経験を積みたかったから。

24歳になってインターポールでインターンとして働きました。テロ対策部で働きたかったのと、アメリカのテロ対策だけではなく、世界がどのようにテロと戦っているのかみてみたかったから。

二回イラクの北部に行きました―24歳の時と25歳の時。実際にゲリラ戦やテロに関わっている人たちと話したかったので。結果、新しい視点からテロ組織に関する研究を進めることができました。

25歳の時にFBIを受けました。そのすぐ後にロイター通信に入社し、ロイターの「テロ・反乱研究ユニット」の中東地域を担当しました。

ロイターでは中東のテロ組織やネットワークを専門とし、イスラム国やヌスラ戦線などの組織を担当しました。一年かけてテログループを追跡し、彼らの活動や組織構造を深く探りました。

結果、私はテロとの戦いは無駄なものだと感じてしまいました。

だって、テロリズムというものは持続する、テロリストは我慢強い。今後もテロは続く―現状のように「テロ対策」というものが、戦闘やドローン攻撃、そして問題の根っこを解決しようとしない政策や経済制裁だけで行われているのであれば。「テロリズム」というのは「アイディア・思想」であり、このアイディアはここ二十年、どんどん世界中に広まっている。

例えばイスラム国。現在ISと呼ばれているこの組織は実は20年程前に作られた。テロの持続性・粘り強さを象徴するこの組織は、本当にしぶとい。本拠地をアフガニスタンからイラク、そしてシリアに変え、リーダーが死ねばまたすぐ新しいのが現れる。2006年からISのリーダーだったAbu Omar al-Baghdadiが2010年4月に殺された時も、翌月には現在のISのトップ、Abu Bakr al-Baghdadiがリーダーに指名されていました。

実はAbu Bakr al-Baghdadiは、本当は存在しないのではないかと言われていた。ISが崩壊を恐れて作り上げた架空のリーダーなのではないかと噂されていた。でも私がまだロイターにいた2014年の7月に、Abu Bakr al-Baghdadiの映像が初めて公開された。ISがイラクの都市モスルを乗っ取ったあと、彼はモスルのグランドモスクでスピーチをし、その映像をISが世界に発信しました。

モスルは2003年のイラク戦争中、米軍率いる多国籍軍、そしてイラク軍が死に物狂いになって奪い返した街。それがたったの数年後、今世界で最も危険なテロ組織だと言われているイスラム国のリーダーがのこのことスピーチをして、勝利を宣言している。

あの映像は本当に、長年テロやイスラム国を見てきた人からすると、衝撃的だった。まだ続くのかと。また繰り返すのかと。しかも、Abu Bakr al-Baghdadiは一回、イラク戦争の途中、米軍に捕まっていたという。簡単に野放しにしてしまったという。そんな彼が、今イスラム国のリーダーだという衝撃。

他の組織も同じ。ビンラディンが死んだからアルカイダが無くなるわけではなかった。すぐにナンバー2と言われていたザワーヒリーがリーダーとなり、アルカイダのフランチャイズは生き残った。ボストンやパリ、ブルッセルやダッカでも起きたように、ホームグロウン・テロリズム(国外の過激思想に共鳴した、国内出身者が独自に引き起こすテロ)が増えている。アルカイダやISなどの支援も必要なかったこれらのケース。テロという「アイディア」だけが唯一必要な要素だった。

もし私がCIAに入っていたら、ケース・オフィサーとなり、中東に行き、アセット(情報提供者)をリクルートし、テロ攻撃を計画の段階で止めようとする仕事をしていた。インターポールに入っていたら、テロ組織と繋がっている人たちを追跡し、ソマリアの海賊とアフリカのテロ組織の繋がりを追及していた。FBIではアメリカ国内で諜報活動を行い、テロ活動している人物・組織をとめていた。そしてロイター通信に残っていれば、中東のテロ組織の研究を続けていた。

でもどれを選んだとしても、このテロとの戦いで、大きな役割は果たせなかったと思う。大きな大きなマシーンの、小さな小さなネジでしかなかったと思う。

「アイディア」が「アイディア」を殺す。私は新しいアイディアを作る、ポジティブなアイディアを広げる、そしてネガティブなアイディアに立ち向かう、そんな仕事がしたいと気づきました。政府関係の仕事に就いたら、ヒューマン・レベルで人と人と触れ合い、影響し合う自由がなくなると気づきました。

というわけで、今はテロとは一見無関係そうな日本で、エンターテインメントの仕事をしています。結局何がしたいのか、自分でもわからなくなる時がありますが。でもアメリカに居続けたら今やっているようなことは絶対にできなかったし、こうやって人前に立って自分の考えを自由に伝えることはできなかったと思います。

少しだけでも影響力を持てたら、話しを聞いてもらえる人物になれれば、それを使って日本、そして世界をいいところにしたいなと思ってます。

だから私は、テロ対策をやめました。

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お知らせです!
 
 
主演をさせていただいた映画『インターン!』の
公開初日・二日目の舞台挨拶が決定しました!
 
 
≪11月5日(土)≫
◆シネ・リーブル池袋/10:00の回上映終了後
登壇者(予定):新木優子・岡本杏理さん・佐野岳さん・青木玄徳さん・栗原類さん・鈴木友菜さん・風間トオルさん・吉田秋生監督
※ローソンチケットにて取扱い
 
◆イオンシネマ浦和美園/13:00の回上映終了後
登壇者(予定):新木優子・岡本杏理さん・吉田秋生監督
 
◆イオンシネマ幕張新都心/15:45の回上映終了後
登壇者(予定):新木優子・岡本杏理さん・吉田秋生監督
 
 
 
≪11月6日(日)≫
◆シネ・リーブル梅田/10:00の回上映開始前
登壇者(予定):新木優子・岡本杏理さん・丹羽多聞アンドリウ プロデューサー
※ローソンチケットにて取扱い
 
◆イオンシネマ京都桂川/13:30の回上映開始前
登壇者(予定):新木優子・岡本杏理さん・丹羽多聞アンドリウ プロデューサー
 
◆中川コロナシネマワールド/15:00の回上映終了後
登壇者(予定):新木優子・岡本杏理さん・丹羽多聞アンドリウ プロデューサー
※ローソンチケットにて取扱い
 
◆安城コロナシネマワールド/17:00の回上映終了後
登壇者(予定):新木優子・岡本杏理さん・丹羽多聞アンドリウ プロデューサー
※ローソンチケットにて取扱い
 
 
チケットはローソンチケットで販売いたします。
【チケットに関する情報】
 
※イオンシネマは劇場窓口での取り扱いとなります。各劇場の公式HPでご確認ください。



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