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これは凄い!鍛刀を便利にする5つのツール

鍛刀

鍛刀 きになっちゃう。

ここ数日、にわかな刀ブームについての辛辣な記事が多いせいで、僕自身がにわか刀ブームを嫌っている。或いは刀女子が嫌い。と誤解されてもいけないので、一言記述させていただきます。
にわかな刀ブーム、大いに結構!

刀女子? 大歓迎!
ただ、用もないのにアポ無しで店を訪ねて来られたり、取引先である職方のところを訪ねて行くのだけは勘弁してください。

うちに来なくても、職方の所に行くことで、うちの店がかかわる仕事の納期は遅れるのですよ。

現に大幅な遅延が発生しています。
刀を眺めたいなら、美術館や博物館へ。

鍛刀の様子を見たければ、公開鍛錬している鍛冶場へ。
それらのお約束さえ守って頂ければ、時間が許す際には、説明もさせていただきますし、実際に真剣を手にとってご覧いただくのも構いません。
にわかな刀ブームが去ったあとも、そのまま刀好きが残っていることを切望しています。
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はじけるPark 鍛刀

ここ数日、泊り込みで将大刀匠の鍛錬場で荒身の研磨作業を行っています。

鞘やはばき、研磨など、全てを一人でこなす便利な職方が亡くなってしまったため、急遽割り振りを変更し、遅れている納期を縮めようと僕自身が稼動し始めたことは、このブログで少し前に記述したとおりです。

将平刀匠はお元気そうでありながらもご高齢であり、将大刀匠が住み込みで修業していた頃のような、打卸の荒身を手作業で鍛冶押しすることは控えるようになりました。

現在は専らベルトサンダーで、あらかたの形を整えて僕のところに送ってくださいますが、これはこれで見た目は手作業による鍛冶押しと変わらぬ様に見えても、実際のところは手直しせねばならない箇所があり、思わぬ手間をとられてしまうことがあります。

一人では到底間に合わないので、将大刀匠にも平地の肉置きを整えながら、刃先を薄くする作業を手伝ってもらう中、物打と横手付近の研ぎ方を教わりたいとのことですので、荒身のうちの一振で横手付近の研磨を練習してもらいました。

どこまで研げるのやらと思っていたのですが、いやはやびっくり。将大刀匠は研ぎのセンスもピカイチで、横手上を枯らすことなく、上手に金剛砥(80番)を当てていました。
将大刀匠による金剛砥#80の研磨
ちなみに昨日は新たに踏まえ木を二本削りまして新調しました。
職人の世界は自分で使う道具を自分で作ることから始まると言っても過言ではありません。

使い勝手が良いように、丸みを持たせ、足の裏が痛くならないように調整します。
将大鍛刀場の一号研ぎ舟と新調した踏まえ木
昨夜遅くまで二人で研磨作業を進めていたのですが、将大刀匠が

「町井さん、指裏の横手付近の研ぎ方教えてください。思うようにいかないです。」

とのこと。

早速研ぎ方を教えながら砥石を当てるに、あらあら、三ツ角付近に向かってどんどん鎬地が広がっていくではありませんか。

腕には自信があるのですが、まさか鎬地の角度を間違えて鎬を蹴ってしまったのか??と一瞬焦ってしまいました。

何しろ使用しているのは#80の金剛砥石。鎬を蹴ってしまうと刀が若干ですが減ってしまいます。

よくよく見ると原因は捩れを直したがために起きた表裏の肉置きのズレでした。

「これは中西君(将大刀匠)が悪いのではなくて、刀に問題があるよ。」

と、言うことで、将大刀匠が手がけていた刀を引き継いで僕が指裏を纏めることに。

捩れ直しに伴う肉置きのズレが原因で、切先鎬地棟方にはなかなか砥石が当らないのですが、無理して当てることによって、余計な肉を減らすことを憚り、敢えて追いかけて研ぐことはせず、鎬地の角度が微妙に異なる部分は他と合うように馴らし、研磨を進めます。
捩れ直しによって発生した肉置きのムラを整えた状態。※帽子の中の肉置きを決める

そして10分後
平地の肉を整えつつ横手を定めた状態。金剛砥#150

上述の通り、捩れ直しによって発生したムラをとりながらの研磨作業でしたので、10分かかってしまいましたが、ムラがさほどないものなら、5分くらいでこのように横手を金剛砥#80番や#120番で立てて行きます。

失敗した時に取り返しがつかないので、おおまかに作業を済ませ、細かい砥石になってから横手を整えていく研師が多いようですが、僕の場合、将平刀匠と同じように、武器としての日本刀のあり方を第一に考えるため、作業効率が良く、短時間で仕上げる手法を最善と考えて行っていますから、大胆にも#80や#120でキッチリと下地を整えていきます。

一番最初の段階で決めておかなければ、砥石目が細かくなって来た時に、時間がかかり、作業効率は落ちてしまい、それでは戦国時代では戦に間に合いません。

武器としての日本刀のあり方を第一に考え、効率良く、結果、美術的な価値もある研磨を心がけています。
柄物Tシャツに柄物短パンはおかしい。センスが悪いと家族に不評の組み合わせ。研磨センスはあっても、ファッションセンスは皆無です。しかも41のおっさんが何ミッキーマウス柄やねん。とツッコまれ…
上の写真とは別の荒身。金剛砥#80での下地
これもまた別の荒身。金剛砥#60
今回は職方の死去により、急遽僕が手がけることとなりましたが、居合研ぎの値段でこの下地は割りに合いません。(美術研磨としての価格比)

この仕事が一段楽したら、もぅ暫くは自分の刀や門弟の刀以外の研ぎはしない。

何故なら
椎間板ヘルニア持ちの僕には辛いんだもの(いさお
納期は遅れる可能性が濃厚ですが、当初予定していた居合研ぎより断然良い、美術研磨の上研磨下地となっていますので、納期が遅れることで御迷惑をおかけしますお客様には、どうぞ平にご容赦くださいますようお願い申し上げます。

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