南こうせつは今すぐ規制すべき
昨夜のクマ蔵は、どうしても「柳ジョージ追悼」の一色に染まり、まずiTunesで柳ジョージ&レイニーウッドのゴールデンベストを購入。クマ蔵の少年時代を飾る「雨に泣いてる」を15回でも20回でも聴いて感涙にむせぶうちに、「そう言えば、『微笑の法則』もあったな」と思い出した。
「微笑の法則」は、79年資生堂のCMで連日テレビを占拠していた名曲。対するカネボウが桑名正博「セクシャルバイオレットNo.1」である。ついこの間このブログでも、カネボウvs資生堂のCM戦争について、「杉浦直樹、死去」の時に述べたばかり(ブログ内検索で「杉浦直樹」を検索のこと)だが、またこの話題に触れることになってしまった。
70年代から80年代にかけては、日本のCMの激しいバブル期である。化粧品分野がCMバブルの先駆者だったのも、商品の性質を考えれば無理からぬこと。今井君みたいな素直な田舎者がそういうCMバブルに誘われてCM業界に憧れてしまったのも、致し方ないことかもしれない。
以下、まるでCM年鑑みたいになるが、どれほど化粧品分野のCMバブルが派手だったか、ごく短期間とはいえCM業界に身を置いた者として、ここにカンタンに示しておきたい。資生堂とカネボウの主な応酬だけでも、こんなスゴいことになるのだ。
75年資生堂 彼女はフレッシュジュース(りりィ)
76年資生堂 ゆれるまなざし(小椋桂/真行寺君枝)
77年資生堂 マイピュアレディ(尾崎亜美/小林麻美)
77年資生堂 サクセス(ダウンタウンブギウギバンド)
77年カネボウ Oh! クッキーフェイス(夏目雅子)
77年カネボウ ワインカラーのときめき(新井満)
78年資生堂 時間よ止まれ(矢沢永吉)
78年資生堂 夢一夜(南こうせつ/小林麻美)
78年資生堂 君の瞳は10000ボルト(堀内孝雄)
78年カネボウ Mr.サマータイム(サーカス)
79年資生堂 燃えろいい女(ツイスト/小野みゆき)
79年資生堂 微笑の法則(柳ジョージとレイニーウッド)
79年カネボウ 君は薔薇より美しい(布施明)
79年カネボウ セクシャルバイオレットNo.1(桑名正博)
79年カネボウ 一気にこの夏チャンピオン(浅野ゆう子)
79年カネボウ 君はどこまで美しくなるのか(因幡晃)
80年資生堂 不思議なピーチパイ(竹内まりや)
80年資生堂 エクボ・裸足の季節(松田聖子)
80年資生堂 蜃気楼(クリスタルキング)
80年カネボウ 唇よ熱く君を語れ(渡辺真知子/松原千明)
80年カネボウ HOW MANY いい顔(郷ひろみ)
81年資生堂 ニートな午後3時(松原みき)
81年資生堂 A面で恋をして(ナイアガラ・トライアングル)
81年カネボウ 春咲小紅(矢野顕子)
81年カネボウ 君にクラクラ(SKY)
81年カネボウ キッスは目にして(ヴィーナス)
82年カネボウ 赤道小町ドキッ!(山下久美子)
82年カネボウ すみれSeptember Love(一風堂)
83年資生堂 め組のひと(ラッツ&スター)
83年カネボウ 君に胸キュン(YMO)
ま、このぐらいにしておきますか。あとは、79年コーセーの「2 WAY SUMMER(山本達彦)」ぐらいですかね。土曜日午後のFM東京「コーセー歌謡ベストテン」でもお馴染み。その直後の「ダイアトーン・ポップスベストテン」とともに、当時の少年たちにとって毎週欠かせない番組であった。
超大物アーティストの他に、後の芥川賞作家なんかも存在する。いったい何なんだ、この余りに錚々たるメンバーは? パパやママのカラオケの定番が、みんな残らず入ってるじゃないか。
70年代から80年代の文化もバブルも、「もしも化粧品CMがなければ、どれほど貧弱なものになっていたか」。それだけを実感すればいい。こういうのを見ると、我々予備校の世界のバブルが、どれほど小さなコップの中の争いであるかを実感して、何だか惨めな思いに浸らざるを得ない。
松原みき「ニートな午後3時」は、今でも今井君に影響を与えていて、天気予報のお姉さんが「午後3時」と発言するたびに、どうしても「ニートな午後3時」と口に出さずにいられない。マイナーな感じの「君にクラクラ」だって、「ボクのギター、もちろんモーリスギターです」と呟けば、パパやママがすぐに反応するだろう。
上のリストには出ていないが「中原理恵」という80年代シンガーもクマ蔵をとらえて離さない。やっぱりお天気お姉さんが「午前3時の気圧配置は...」と発言するたびに、クマ蔵の口は自然に開いて「午前3時のトーキョー・ベイは…」と応酬する。
まあ、あの頃、そういう曲が流行ったのだ。タイトル「東京ららばい」。「ららばい」がひらがななのも、やっぱり古色蒼然であるね。だって「醒めた目をして、ブランデー空けたぁー!!」と絶叫するのであるよ。
ほとんど百人一首の「上の句&下の句」の風情であるが、このアタリの事情は、今の受験生のパパかママで、しかも相当に記憶力のいい人でないと解ってもらえそうにない。若い諸君、しばらくパパやママと会話を交わしてしていないのなら、今こそチャンスだ。キーワードは、松原みき、ニートな午後3時。中原理恵、午前3時のトーキョー・ベイ。ちょうど12時間の違いなのも面白い。
もしもパパもママも何の反応もしなかったら、上の一覧表を頼りたまえ。プリントアウトして、それでも何にも反応しないようなら、余程マジメなパパとママ。「テレビなんか、見たこともない」という、素晴らしい堅物パパ&堅物ママである可能性が高い。それはそれでいいじゃないか。そのことを大いに了とし、大いに誇りに思えばよろしい。
わが柳ジョージも、見事にその面々の中に名前が挙がっている。今井君は嬉しくなって、深夜1時から早朝5時に到るまで、延々とYouTube三昧の4時間を過ごした。では、どんなYouTube三昧だったか、それは明日の記事に詳細を掲載しようと思う。
1E(Cd) Madredeus:ANTOLOGIA
2E(Cd) Madredeus:ANTOLOGIA
3E(Cd) Queffelec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
4E(Cd) Queffelec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
5E(Cd) Martinon:IBERT/ESCALES
total m100 y1286 d7247
鏡の中の南こうせつ
このところ、渦の中に巻き込まれたような、